大学選手権08

日付 12/20 12/28 1/2 1/10
相手 流通経済大学  東海大学    
得点 31- 8

0- 3
31- 5

31-78

10-29
21-49

   
場所 花園 秩父宮 国立 国立
菅原B 1T   菅原B 1T 才田A 大槻C 菅原B 菅原B  
太田C   太田C 濱西C 太田C   太田C 濱西C
星野B 才田A 星野B 1T   星野B   星野B 才田A
村上B   村上B 1T   前田B 洪C 村上B  
平岡@
  平岡@
前田B 沢田C
  平岡@
前田B
西山B 浦田B 西山B 浦田B 神農C    洪C   
洪C   洪C   村上B   西山B 四至本A
神農C   神農C   四至本A   神農C  
東郷B 小森A 小森A 東郷B 東郷B   東郷B 橋詰B
10 森田洋A 1T   森田洋A 1T 才口C 田島C 才口C 森田洋A  
11 正海@ 森田尚C 正海@ 森田尚C 正海@   正海@  
12 釜池C 2T   釜池C 1T   野上A   釜池C  
13 西田@ 1T   西田@   釜池C   西田@  
14 大久保A   大久保A   大久保A   大久保A 野上A
15 宮本CK 3G 才口C 宮本CK 5G   宮本CK   宮本CK 才口C


 
流通経済大学

 戦前はFWの平均体重差が17kgあるとのことで、これを他でカバーできるかがが最大の心配事でした。
果たして予想通り、スクラムは押され、FW戦では個々の力の差が見られました。このパターンは、同志社の典型的な負けパターンと言って良いと思います。同志社が強い時はBKが目立っていたとしても、それを支えるFWがしっかりしているときでした。特にスクラムは試験的実施ルール(ELV)の実施で、弱い側はより不利になるとされていただけに、前半の最初だけみると、負けを覚悟してしまう展開でした。

この試合では、そのパターンをよい方に裏切ってくれました。FWが個々のパワーで劣るのを認め、アタックは単独突破を避けていたようです。ディフェンスでは力の劣るものが接点を制する唯一の手段、相手が動き出す前の初動段階での絡みが早かったです。第3列の人選は、接点支配のスペシャリストを選んだと言えるでしょう。そして、1人目だけでなく、1人で足りなければ2人、2人で足りなければ3人、それで人数が不足する分はBKの選手も穴を埋めるといったチームディフェンスが機能していたと思います。

それでも前半は、密集付近のディフェンスはほぼ完璧なものの、アタックでは相手のオフサイドすれすれのラインディフェンスで、持ち味のBKのアタック力を発揮できませんでした。FW、BKともにディフェンスで相当走っているだけに、消耗していてもおかしくないように思えました。しかし、消耗していたのは流通経済大の方で、後半はFW戦でも優位に立ちました。その後は、同志社の良いところばかりが目立つ展開になりました。

 両CTBは、かつての大西、伊勢コンビを彷彿とさせるようなタックル意識の高いすばらしいコンビです。西田のくさびを打ち込むような鋭いタックルは一発で流れを変えていました。釜池の攻守の切り替えの早さも特筆です。久しぶりに本来の力を見たように思います。
森田洋の強気のゲームメイクも光っていました。どちらかというとフィールドプレーよりも、キックの名手という印象でしたが、この日は自分で突破するシーンが目立ちました。京産大戦で両WTBが大活躍したデータのためでしょう、相手のディフェンス意識がWTBにいっている裏をかいたクレバーさも今までの同志社に無かった色を加えていると思います。綾城ヘッド、山西コーチらの指導の集大成でしょう。
声を出して引っ張っていた宮本BCに加えて、森田尚、才口の4回生の活躍がとてもうれしいです。

とにかく、走りきるラグビー。走って接点を支配するラグビー。特徴のあるチームこそが一戦ごとに力を伸ばすと思います。走力のある大型選手を揃えて力業で攻める関東のラグビーに一石を投じてくれるものと思います。27日は東京のラグビーファンにそれを披露してくれます。6月には破れなかった東海大のラインディフェンス。止められなかった東海大FW。あきらめない精神的な高まりが今のチームにはあると思います。


以上、ビデオ観戦のため、FW戦は個々の名前の判別がつかないのでBKの感想が主体になりました。しかし、この試合はFW戦の勝利だと思います。


東海大学

秩父宮は多くの同志社ファンに埋め尽くされました。実感としては6割が同志社ファンで、2割が東海ファン、あとの2割はラグビーファンでしょう。国立でのこれまでの試合とは明らかに違う雰囲気。アウェイのハンデは全くないムードでした。

この試合の出来は、京産大戦、流通経済大戦の良い流れの延長線上にありました。オフェンスでは、BKの早い展開を前半から見せてくれました。BK陣はコンタクトを避けて、相手ディフェンスに穴ができるまで、よく我慢して細かいパスをつないでいました。大久保のランはもちろん、釜池の最初のタックルでは絶対に倒れない人に強い走り、森田洋の中央突破も何度も決まっていました。この3人はこの日見た4チームでは一番だったと思います。FWも良く足が動いて、BKのサポートに走っていました。村上のトライはBK展開から生まれました。
ディフェンスでは、FW陣が何度も何度もタックルを決めてくれました。全員がよくやっていましたが、1年生の平岡と4年生の神農、洪のがんばりが特に印象に残りました。

東海大は強かったです。
同志社のオフェンスは、相手FWの圧力がかかりラックからの球出しが遅らされ、時にはターンオーバーされるケースもが多く、リズムにのれませんでした。BK展開はある程度ゲインができ、攻めている印象はありましたが、相手BKは冷静でドリフト気味にライン際に追い込いこんで、待ち受けているFB、WTBに潰されました。同志社BKはパスはつなげるものの、ライン際で捕まるとBKだけでボールをつないでフェーズを重ねるプレー(オフロードにしても、ラックにしても)をさせてもらえませんでした。言い換えると、ブレイクダウンで負けているとなるのですが、ブレイクダウンに至るまでの段階で何とかしたかったのではないでしょうか。
春にも見ましたが、東海大はFWとBKでディフェンスの思想が異なるメリハリのあるチームだと思いました。相手のディフェンスのやることはわかっていたが、対応できなかったということでしょうか。
同志社のディフェンスは、1次、2次で簡単に抜かれるケースはほとんどなく、ものすごく進歩したと思います。春の東海大なら互角の勝負になっていたと思います。しかし、この試合では相手に大駒がいました。両外国人選手のパワープレーに対し、止めるために人をかけているために、フェーズが上がると人数不足で抜かれてしまいました。東海大BKが走れたのは、両外国人のおかげとも言えるでしょう。

結果的に点差が開き、すべての面で負けていた印象があります。ただ、絶望的な力の差は感じませんでした。
相手FWはベースが高い上に、外国人2人の核があり強力でした。この点では、大駒がない同志社との差は明らかで、ここで流れを分断されたのは事実です。しかし、それ以外の個々の力の差はわずかだと思いました。東海大も数年前は強いチームではありませんでした。同志社にもできるはずだと思います。来年の取り組みに注目したいです。

4回生の皆さん。お疲れさまでした。最後の3試合で見せてくれた
高速ラグビーは見ている人におもしろいラグビーです。今後の方向性を示してくれたと思います。さらに、この試合では、前半からぶつかっていった姿勢に潔さとすがすがしさが残りました。この経験は来年に受け継がれるものと思います。まずはゆっくり休んで、1年間の疲れを癒してください。本当にお疲れさまでした。ありがとうございました。
08年は中尾監督、綾城コーチの新体制で、太田主将、宮本副将をはじめ4回生が悩みながらも成長し、最後には新しい形を作ってくれたシーズンとして、長く記憶されると思います。釜池選手、森田選手は怪我もあり、4年間苦労したと思いますが、社会人での活躍を期待しています。才口選手の鬼神のような走りは国立でみたいとずっと思っていました。大槻選手、植村選手、沢田選手、吉田選手、菊武選手は最後のシーズンは怪我で残念でした。クビの怪我で本調子でない中、復活してチームを支えてくれた神農選手ありがとうございます。

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