大学選手権
日付 | 12/17 | |
---|---|---|
相手 | 慶應義塾大学 | |
得点 | 19-48
0-29 |
|
場所 | 瑞穂 | |
1 | 大槻A | |
2 | 太田A | |
3 | 岩崎B | 星野@ |
4 | 川嵜B | |
5 | 前川B | |
6 | 沢田A | 林C |
7 | 神農A | |
8 | 深澤C | |
9 | 時枝@ | 東郷@ |
10 | 宮本A | |
11 | 菊武A | |
12 | 大橋C | |
13 | 桑原C | |
14 | 宇薄B | |
15 | 釜池A | 阿部B |
慶應義塾大学 12/17記
大学選手権で、これほど勝ち目のない完敗をみたのは初めてかもしれません。
いやそうではないです。自分で過去の観戦記を見直すと、仙波主将が率いた時の準決勝の早稲田戦後と気分としては近いかもしれません。あの時は、竹山、今森、仙波、平、正面、大橋、宇薄と、そっくりトップリーグのチームのBKができそうなメンバーを要してさえ、「通用した部分が見あたらない」(仙波主将)と言うほどの完敗でした。
ただし、あの時は相手が優勝した早稲田でした。今回はFWにもBKにもトップリーグ級の選手は少なくなったとはいえ、相手は優勝候補ではありません。目の当たりにしても、ここまで通用しないのが現実として受け入れられないでいました。
あの時の完敗を教訓に、フィットネスは向上してきました。フィットネス環境の整備は費用がかかるため十分とは言えない状況でしょう。ただ、寮ができて栄養面で
も最低限のインフラは整ったと思います。フィットネス環境を作るにはこれからも時間を要するでしょう。しかし、フィットネスの成果には時間はかからないはずです。そういうことからも、あの時から2年、FWが強く
なっていると思っていました。しかし、強くて大きいFWを作るのは、人材の問題もあり難しいようです。
今日は疲れました。観戦記は書く気になれません。必要もないでしょう。ただただ、以上のようなことを思うばかりです。
勝てば次に対戦する早稲田大学の試合(VS関西学院大学)をビデオで見ながら、これを書いています。
早稲田を見るはずが関学の方に釘付けです。結果は85−7と早稲田の圧勝なのですが、後半の20分〜40分くらいは関学がほとんど相手陣で試合をしています。20分間もの間、完全に関学ペースなのです。相手ラインナウト
さえ取って、連続攻撃を決めています。1トライを取りましたが、そのプロセスが衝撃的でした。明らかに小さな関学選手たちの意地を見ました。大差がついた後
云々は言わないことにしましょう。
ラグビーにはサイズなんて関係ないと思わずにはいられませんでした。少し見方を変えてみれば、サイズが劣っていても、試合に勝つ方法はあると思います。サイズ不足以上に、その部分が同志社には欠けているのかもしれません。
私が在校生時代に、体育会の行事でラグビー部のOBの林敏之氏に少人数で面談してもらったことがあります。その際に「練習からカッーと熱くなれ」と言われた記憶があります。当時はどちらかというと平尾誠二氏の「実践に即した理詰めの練習を」というのが好きでしたが、ものすごい説得力で圧倒されました。懐かしく思い出しますが、格好悪くても熱く引っ張っていけるリーダーが必要なのかもしれません。
4回生のみなさん
深澤主将は懐深さが今日の試合でもわかりました。怪我をおして出場した大橋副将。林、桑原そして小野田。4回生の思いは伝わってきました。中山選手の不幸に始まり、決して十分とは言えない環境の中、4年間よくやってくれました。最後の試合が雨の中でなく、暖かい日差しの中で試合をできたことがせめてもの救いです。今日の光景を決して忘れることはないでしょう。本当にお疲れ様でした。
3回生以降の皆さん
涙は本物でした。感動しました。
根性論かもしれませんが、負けて悔しいその思いをぶつけてほしいと思います。泣いて強くなる子供のような関学の見せた闘志で戦ってほしいと思います。しかし、その思いを持続させ
ることは容易ではないでしょう。持ち続けられるか、1年後に思い出すかがトップチームとの唯一の差だと思います。こんなもんだろう、とか自分はよくやっているとかそんなことは自分で設けた低い壁です。自分の中に
限界は要りません。対戦相手の選手はもっともっとやっているはずです。決して練習に手を抜いていると言っているわけではありません。常識を越えた激しい情熱。それさえあれば、勝つためにどうすればよいかを生活の中に生かしていけると思います。期待しています。
追記(12/19記)
勝ち目のない試合と書きました。
何もかもが負けていたと誤解を与えるような表現だったことをお詫びします。FWの圧力やBKのパススキルでは負けていたと思います。慶応の山田のような決定力のある大駒もいなかったです。
ただ、時折見せる流れるような連続攻撃はやはり同志社だと感じさせてくれました。どこか1点突破できれば、リズムは作れるチームなのです。1点突破を図るFWのパワープレーが決まらないのが苦しかったですが、闘将・大橋のすさまじいタテは1点突破には十分でした。SH東郷のリズムよく何度も何度もリサイクルする献身的な働きも大きかったと思います。宮本、阿部の気持ちの入ったプレーも流れを変えていました。随所に光るプレーはありました。
慶応とは大きな差が無かったように思えます。試合開始直後のSOからCTBへのパスがスローフォワードとなりましたが、あれが仮に決まって先にトライを取っていれば、勝ち目もあったように思います。あえて、差を求めるなら、ここ一番のディフェンス力の差、射程距離の差でしょうか?
それにしても、この試合は集大成と言ってもいいような試合だと思いました。FWが試合に集中しているのがわかりました。見事な集散を見せてくれました。真摯なプレーは感動を覚えました。懸命さは伝わってきました。ここまでやって、なぜ勝てないのでしょう。もちろん相手も一生懸命で、両者に勝利は与えられません。残酷ですが、勝負とは努力に対して与えられるものではないのでしょう。記憶に残しておきたいのは勝敗ではなく、試合で表現してくれた生き様です。彼らの生き様を忘れることはないでしょう。