関西リーグ

日付 10/6 10/20 10/27 11/3 11/10 11/17 11/30
相手 天理大学  大阪経済大学  龍谷大学  近畿大学  大阪体育大学  京都産業大学 立命館大学
得点 70-7

32-7
38-0

78-19

38- 5
40-14

73-40

39- 0
34-40

60-29

19-15
41- 14

43-17

 5-10
38- 7

50-46

28-20
22-26

40- 5

 21- 0
19- 5

場所 花園T  宝ヶ池  宝ヶ池 花園T 花園T  宝ヶ池 花園T
B   森B   田中@   田中@   田中@   森B   森B  
萩原B   萩原B   萩原B   萩原B 林B 萩原B   萩原B   萩原B 林B
田中@   田中@   C   表C 中村@ 表C   表C 田中@ 田中@  
@   望月B   望月B   浦@   浦@   浦@   望月B  
藤井C   藤井C   藤井C   藤井C   藤井C   藤井C   藤井C 入江
望月B   飯尾B 川端A 飯尾B   飯尾B 川端A 望月B   望月B   中山A 川端A
端迫C   熊谷A   端迫C   望月B   端迫C 飯尾B 端迫C   奥薗C 飯尾B
奥薗C 飯尾B 端迫C   奥薗C   熊谷A   熊谷A   熊谷A   熊谷A  
佐藤C   佐藤C 竹山A 竹山A   竹山A   竹山A   竹山A   竹山A  
10 徳野C   徳野C   徳野C 山下C 徳野C 山下C 徳野C   徳野C   山下C  
11 中矢C   中矢C   中矢C   中矢C 谷岡B 中矢C 中矢C   中矢C
12 今森@   今森@ 山下C 今森@   今森@   今森@   今森@ 山下C 徳野C  
13 平AK   平AK   平AK   平A   平A   平A   平A  
14 谷岡B   谷岡B   谷岡B   正面@   正面@   正面@   正面@  
15 吉田B   吉田B   吉田B   吉田Bk   吉田Bk   吉田Bk   吉田Bk  

感想

天理大学 10/6記

今日は日なたのグランドは暑かったでしょうが、スタンドは心地のいい風がふいてちょうど良いラグビー日和でした。相手は古豪天理だったこともあるのでしょう。メインスタンドだけの開放でしたが、なかなかの人の入りでした。まだまだラグビー人気も捨てたものではないことを感じさせられました。

今日の感想は「孤立無援とリズムの悪さ」です。
特に前半はこれ以外に感想は無かったです。FWの突進は単発でフォローがなく、相手に囲まれてはボールを取られるの繰り返しでした。役割分担があるのはわかりますが、近くにいる選手がフォロー役や密集でのスイープ役を果たしていかないととても間に合いません。
BKもきらりと光るプレーも見られますが、それ以上に展開の遅さが目立ちました。今年のBKはすばらしい素材がたくさんいます。今日もBKの選手のスピードにはため息が出るほどでした。しかも、大型選手が揃っていますから、相手にしてみればかなりの脅威でしょう。しかし、ボールを扱う基本技術のレベルは2、3年前よりも確実に低下しています。チームとしての意思統一の欠如といった問題ではないと思います。少なくともBKのSOを起点にした攻撃では何をしようとしているのか伝わってきます。しかしながら、それに技術が付いてこないような印象です。
前半の印象が悪かった原因はもうひとつあります。ゴールキックの成功率が1/6でことごとくはずしていました。しかし、これは角度のないキックが多かったためです。これはBKでトライを奪っている証しでもあるので、そういう意味では今年の方針は見られたように思います。それと大事なことはこの結果でもキッカーを容易に替えないことだと思います。平のキックは決して悪くはありませんでした。

そして、ハーフタイムの様子をみてかなり心配になりました。天理の方は監督を中心として円陣を組んでいるのに対して、同志社はFWとBKに分かれて座っていました。FWの方は集まってヘッドコーチの指示を聞いていましたが、BKは休憩時間になっているように見えました。関東の大学が後半攻め方を変えてきたりするのはハーフタイムのミーティングでしっかり修正するのだろうと思っているので、このあたりが同志社の弱点かと思ってしまいました。
しかし、そうした心配は杞憂に終わりました。今日は後半持ち直します。リズムがよくなりました。後半最初のトライはグランドの横方向をいっぱいに使った見事なトライでした。6,7次までいったと思います。特に飯尾が目立ちましたが、田中、萩原、望月とFW陣のサポートもよくなりました。フォローができると球出しが早くなり、SOからのFWも一体となったライン攻撃が見られました。藤井がWTBの位置でボールをもらってトライというシーンも2度ありました。

今日で今年の同志社のラグビーはある程度見えたと思います。
基本的には展開志向。しかし、早稲田とは異なりフェーズが低いときは左右に揺さぶるよりはFW陣やCTBがタテをつく。これは密集をつくって相手を巻き込こむのが目的なので無理はしない。これをじっくり、しつこく繰り返す。そして、ひとたび人数が余ればSO徳野が大きく開いてボールもらいスリーバックまでボールをまわして一気に仕上げる。
このような印象を受けました。今年のスリーバックは足があるので射程距離を長く取れるので、自陣からでもこのような攻撃を考えていると思います。今日、キックをほとんど使っていなかったのはこのためだと思います。ただ、この戦法の場合はディフェンスレベルがより高い相手に対してはキックも使うでしょう。

その他、気づいたことを。
@スクラム
スクラムは押していました。第1列はもちろんLOのがんばりも大きかったと思います。第3列は端迫がNO8に入った方が力強い気がしました。
Aタックル
今森、平、佐藤、中矢らががんばっていました。最初のトライ以外は無失点に抑えており、合格点でしょう。ただ、タックルリーダー的な存在は見あたりません。徳野を中心とした組織ディフェンスが今年の持ち味でしょうが、ガツーンと決めてくれるタックラーが出てほしいです。
B浦
最初は接触プレーを怖がっているように見えました。しかし、前半の後半からはボールを持って突破役を果たしていました。十分に合格でしょう。しかし、彼にはもっと激しい当たりを見せてほしいです。今なら少々強引なプレーも許されるでしょうし、そんな元気なプレーが先輩の刺激にもなるはずです。
C奥薗
端迫と入れ替わりでNO8を務めています。ケガで交替するまで、積極的な動きでチームを引っ張っていました。しかし、奥薗に突破役をさせるのはもった得ないような気がします。突破なら端迫の方が迫力があります。奥薗は横の動きやパススキルに長けており、それをスクラムから最初に解放されるNO8で発揮することを期待されていると思いますが、今日の試合を見る限りではそれを発揮する機会はなかったように思います。7で機動性を生かした方が脅威のような気がしますが。しかし、それよりもケガは大丈夫ででしょうか? かなり重傷に見えましたが・・・。
Dスタミナ
今日は後半の方が動きがよかったです。これが即スタミナアップしたとは言えないかもしませんが、スタミナは上がっていると思います。

今日一番印象に残ったのは田中です。スクラムを無難にこなしただけでも特筆ですが、忠実なサポートプレーと時折見せる迫力のある突破は1年生とは思えなかったです。救世主になるのではと感じてしまいました。
今年はポテンシャルは無限大にも感じるチームです。それだけに感想が辛口になってしまいます。まだまだ、関東の上位校と比べるとレベルの差は大きいと感じます。まだ、10月初旬です。ここから3ヶ月あまり、進化をして欲しいです。

 

大阪経済大学 10/20記

怪しげな天候の下で京都に参上でした。やはり同志社は宝ヶ池のグランドがしっくりくるような気がします。来週は秋の穏やかな日差しものもとで試合をして欲しいものです。

前試合のケガの奥薗、アジア大会明けの正面や仙波、竹山、表、市川と欠場あるいは本調子ではない選手が多く、なかなかベストメンバーが組めない状況です。しかし、実はそういう言い方は出場している選手に失礼。今出ている選手がベストメンバーです。一ファンとしては1回生であれ、試合慣れしていない選手であれ、厳しくそして暖かく見守りたいと思います。

今日は時間の関係で簡潔に書きます。スコア以外は前節よりもよくなった気がします。孤立無援になりがちだったFWの突破がフォローがつくようになりました。そのために全体の連携が改善されていました。つなぎの技術は2週間では大幅に進歩するものではないですが、上昇の気配は感じることができました。

おそらく明日の新聞では「スクラムが弱い」とか「ディフェンスが悪い」とか、そのような活字が並ぶことでしょう。
確かにスクラムはひいき目に見て互角だったと思います。ただ、第1列だけの問題ではないと思います。数年前の強い時は1列だけでなく8人が堅く一体となっていたように感じましたが、今日はパックになっている感じがしなかったです。押されているときはそんなものかもしれませんが、これもスクラムに関するスキルの問題のように感じました。若い選手が多いですから、これから進歩を信じています。
ディフェンスに関しては天理戦同様、良かったと思います。天理大のアッタク力は失礼ながらかなり弱かったです。天理戦の後の立命館×大阪経済大を見ると、次の試合はもう少し取られると容易に予想できてしまいました。しかし、今年は組織としてのディフェンスは徳野を中心にしっかりしています。足りないのは守りの強さだと思います。絶対に抜かさせないと見ているものにも伝わるような精神面での強さ、指1本でも相手のジャージにかかれば止めてしまうフィジカル面での強さ。伊勢や大西のようなタックルリーダーの出現を待ちたいです。

少しだけです。本当に少しだけ良くなったと思います。しかし、少しずつでいいから、毎試合毎試合よくなっているのが感じられれば、ファンとしては満足です。選手権や日本一とかそういうことよりも、まずは一歩一歩自分達のラグビーを追求していってほしいです。

 

龍谷大学 10/27記

前半は見事な試合でした。メンバー的にもコアになる選手が揃い今シーズンの目指す形が見えた気がします。
固定して使われているBK陣は落ち着きが感じられました。4回生のリーダー達が揃ったFWは過去2試合で見せた機動力に加えて、強さも表現できはじめたように感じます。1回生から期待されていた奥薗、端迫、藤井、表の個性が光っていました。

後半は点数では負けています。前半が完勝だったので、テスト的な要素もあったと思います。SO山下は天理大戦、大阪経済大戦に続く3試合目で、竹山との東福岡高コンビは今期初めてでした。アタックに関してはスペシャリティを感じさせ、違和感は無かったです。しかし、ディフェンスの際にはラインに穴ができるようです。それが何故なのかはわかりませんが、徳野主将を司令塔とした守りのレベルが高いのだと思います。

後半が後半だけに後味すっきりではないですが、進化か否かで言えば間違いなく進化です。11月に入れば驚くほど充実した試合を見せてくれるに違いないです。期待して待ちます。

 

大阪体育大学 11/10記

すっかり寒くなって、あと3試合。今年は秋に関東の大学との定期戦がほとんどなかったため、関東勢との比較ができないでいます。強いのでしょうか弱いのでしょうか五里霧中です。ただ言えているのは今年は関西リーグでタイトな試合を経て、試合ごとに実力をあげているということでしょう。今年ほどリーグ戦を有意義に過ごせているシーズンは近年にはないと思います。

FW、BKに分けて感想を少々。
FW
今年は機動力があり、例年に比べて攻守の切り替えが早い。フォーローも集散もよい。後半のスタミナ切れも見られない。これは
第1列のがんばりが大きい。特筆すべきはモールのうまさ。大体大はかなり警戒していたが、防げなかった。ドライビングモールは今年の大きな武器になるだろう。ラインナウトもマイボールの確保には問題がない。あえて問題点を挙げると望月に頼りすぎていおり、今後研究されてきた場合に備えて、もう1枚看板がほしい。唯一の課題はスクラムである。よいリズムで攻めているのにスクラムで流れが変わってしまっていた。マイボールクラムでもボールを出せたのは僅かであった。押せなくてもいいので、押されない、回されないスクラムワークがほしい。

BK
BKへの展開はFWの強力なドライビングモールから始まる。前半は徳野を起点に密集周辺で細かなパスをつないで、捕まりそうになれば無理せずにキックを使って前進を図っていた。外側に回して勝負をかけることは、特にオープン側に回すことは極力避けているようであった。
同志社ではキックというとマイナスイメージで語られることが多かったが、今年は違う。キックそのものよりもキック後の処理がよくなった。例年はキック後にはキッカーを含めて2人ほどが追うだけであった。今年はラインで押し上げているので、相手にボールを取られても早いつぶしができる。今森、吉田のキックのレベルも高い。
細かなパスを支えているのは若い
CTB陣の卓越したハンドリング。パスワークは大学ではこの2人を超えるコンビはいないだろう。ただ、ライン参加したFW陣がノックオンするケースが多く、そこで攻撃が分断されがち。パスミスが無くなると得点力はかなりアップするだろう。
後半もFWのモール起点は変わらないが、自陣からでもポイントをつくって高いフェーズで勝負するようになった。こうなれば竹山のテンポの良さが光り、トライの量産につながった。このような切り替えができるのがクレバーな徳野主将が率いる今年のチームだろうか。

ディフェンス
ディフェンスのレベルは高い。FWとBKの連携がよく、例年よく見られる密集周辺の穴が少ないようだ。FWに倒れてもすぐに立って次のポイントに走る意識があるせいであろう。BKのディフェンスは前に出て止めるよりも組織力で網に引っ掛けるようなイメージであったが、力強さに欠ける。相手BKとの1対1での勝負に負けている。接点での弱さを感じてしまう。大体大の久住に何度か抜かれたが、1人1殺で掴んだら絶対はなさい意識がほしい。

気になった選手を。
吉田
本物のFBに成長したと感じる試合であった。キックの処理がよかった。ライン参加のスピードも一流。しかし、それよりも何気ないプレーに責任感を感じられたのが、FBを感じるところだった。ただ、少しだけ苦言を呈させてもらえるならば、アタックでもディフェンスでもすぐに倒れてしまう点をあげたい。FBは仲間が来るまで立って待つことが期待されるポジションだろう。100%で当たらない、オフセット衝突を心がけるなどもう少しボディーバランスをアップしてほしい。すごく厳しいお願いですが。
望月
最初の一歩が誰よりも早く、スピードにのってボールを拾えるプレーヤー。風貌が何となく大西元主将に似ている。ハンドリングがよく、キックオフのボールをキャッチしても、ラインナウトでもノックオンをすることはまずない。絶対に不可欠な選手。
正面
いいコースを走っているがなかなかボールがこない。外で勝負しないチームの方針か、まだ信頼感がないせいか。コーリングなど仲間からボールを奪い取るくらいの気構えがあってもいいかも。しかし、今日の自陣からの独走トライは圧巻だった。
藤井
アタックにディフェンスに大活躍だった。アッタクでこれほど力強い藤井は久しぶりだった。ディフェンスも密集内で踏ん張っていた。
今日はWTB的なプレーを封印して、密集サイドでガンガンいっていたが、これからもこんなプレーを期待したい。やわらかいパスワークは時折見せてくれれば、いいのだから。

ディフェンス面での今日の立役者。必死に体を張ってディフェンスする姿には感動した。運動量も申し分なし。
田中
機動力のある選手。ボールに絡む嗅覚をもっており、大舞台で大きな活躍をするかもしれない。そんな予感を抱かせる活躍だった。

今日はとてもいい試合でした。出場した選手誰もが活躍しました。特にLOの2人の活躍は期待値を一気に増大させてくれました。
さあ、来週からは三強対決。楽しみです。

 

京都産業大学 11/23記

仕事の関係で現地観戦はできませんでした。素人の感想ながら期待してくださっている方がおられるとはうれしいです。
ビデオ観戦ですが、自分の覚え書きとして少しだけ書き留めておきます。

得点が拮抗していること、トライをたくさん取られたことから、この試合に関しては賛否両論があるようです。しかし、開幕の天理戦でのリズムの悪さや集散の遅さを露呈した今年のチームが上昇中であるということに変わりはないと思います。
FWは例年に比べて接点での個々の力強さ、相手を抜き去るときの一瞬のスピード、スクラムは劣っているともいますが、今年は機動力があります。80分間、骨惜しみせずに動いています。ボールを目で追っている姿を見かけなくなりました。練習に裏打ちされた絶対的なものを感じます。
BKはトライを取られたもののディフェンスがよかったです。相手の攻撃のフェーズが上がっても、ねばり強く我慢できています。ただ、BKも接点の弱さを感じてしまいます。相手の突進を1人で止められず、その結果、ボールに数人が集まることになり、密集周辺に穴ができてしまっています。当然、カバーディフェンスなど組織だったことはできずにトライまで持っていかれることも多かったです。
また、攻撃でも、なかなか中央付近での突破ができません。原因は身体的な弱さではないと思います。ラインが止まっている状態でのパスが多く、ボールを持った瞬間に勢いがないように感じます。最初のアタックで少しでもゲインを切れれば、SH竹山のテンポのいい球出しでラインは動き出すでしょう。チーム全体として前への圧力が出てくれば、個々の強さも、華麗な個人技も出てくるはずです。

よく勝ってくれました。京産大も同志社も本当に真摯にプレーしていました。こうした接戦を制することで、より力をつけてくれるものと思います。ますます期待は高まります。京産大に感謝です。

 

立命館大学 12/1記

ビデオ観戦ですが、少しだけ感想を。

この試合は京産大戦での反省を生かして、みごとな進化を見せてくれました。特にディフェンスです。
京産大戦でのディフェンスは決して悪くなったです。それどころか、きっちりと面で守る意識が見られました。しかし、ディフェンス網は切り裂かれてしまいました。原因は接点での当たり負けのように思いました。それに対するこの試合での修正は
前にでるディフェンスです。言葉にすると当たり前かもしれませんが、ドリフトを得意としていたチームが前で止めるディフェンスにわずか2週間で変えるのは容易ならざることだったはずです。スタッフ、チームリーダー、選手には頭の下がる思いです。

攻めてはFW、BKに関係なく次々につないでいく楽しいラグビーを見せてくれました。ついにラインは動き出しました。
継続ラグビーといっても早稲田のラグビーとは違っています。早稲田はラックをつくりフォローがスイープした後に球出しを行うことをチームコンセプトとして徹底していると思います。一方、同志社は捕まって崩れた体勢からでもパスをしたり、フォローがラックを作るのではなくボールを拾って駆け出したり、より早い球出しを心がけているようです。かと思えば、ラインに回せるタイミングでもあえてモールを作ったりとまさに変幻自在です。
しかし、早稲田でも同志社でも真っ直ぐ走ってボールを受けなければ、ゲインは切れないという事実は変わりありません。その点では早稲田の方が一日の長があると思います。決めごとの少ない同志社の方がスピードにのってボールを受けるのは難しいと思います。個々人の判断力、アドリブ力が求められると思います。どこまで早稲田に迫れるか注目したいです。

今年のチームはリーグ戦の最初から密集周辺での攻撃とBK展開をうまく使い分けているという印象でした。この意味で強化のベクトルは微調整をしながらも一筋通っていたと思います。だからこそ、一戦一戦目見えて強くなっていったのだと思います。
ところで、テレビ解説の川村氏は今年の同志社のオフェンスでの戦略を「切り崩しの局面とフィニッシュの局面を明確にしている」と表現されていました。さすがです。他にも川村さんの解説で印象に残った話がありました。「同志社のタックルは高いけど、ボールを巻き込んでしまううまいタックル。これはコーチの中尾さんが教えるのがうまい」
タックルに関しては不満もあるのですが、確かにうまいタックルは多いと思います。たとえば、BKの選手が相手FWの選手に行うタックルです。相手を受け止めようとはしないのです。モーメンタムは質量×速度ですから、小さい選手はその方法でははじかれてしまいます。オフセット衝突を狙っていると思います。相手の上体と下半身の軸をずらして、上半身の方をねじってしまうような感じです。

印象に残った選手を
中山
タックルがすごかったです。強いし、勘がいいのか相手が中山に吸い込まれていくようでした。スクラムでのサイドディフェンスの出足も鋭かったです。しかも、かなりしつこかったです。まさにタックルリーダーでしょう。
中矢
体を張ってポイントをつくりにいくプレーを何度も見せてくれました。ボールの継続も含めて驚くほどの成功率でした。


本当に全員がいい活躍をしていたと思います。久しぶりに入った奥薗が前半チームを引っ張ってくれました。第一列の機動力は変わらないですし、LOは力でチームに貢献してくれます。山下のゲームコントロールもさえました。平のタテへの強さは新しい発見でした。
さあ、選手権です。今年は戦力的なことだけでなくいろんな意味で本当にいいチームだと思います。躍進を期待しています。

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